天国の勇ちゃんへ

わずか17日と言う闘病の果て、旅立ってしまった彼へのメッセージと、自分の想いを綴ります。

希望が消えた日。

去年の今日は日曜日。


前日に、お義母さんから、聞いた伝言。 今日、病院へ来たら、看護士の〇〇さんを
訪ねてね。お話があるから。と。


内容は、何だろう??とやっぱり、気にはなってたけど。
いつもの様に、休日の掃除やらって、一通り、バタバタと片付けて、今日は早めに
病院へ。


病室に行くと、そこに勇ちゃんの姿がなくって(驚)慌ててナースステーションに
聞きに行くと、その、お話がある。と言っていた、担当の看護士さんが丁度いらして、
「あ。病室、変わられました。」って。


ナースステーションの、目の前!のお部屋に移動していた。
そして、「あ、あの。。。お話が?ってお伺いしてたのですが。」って私が言うと、
「あ!婚約者さんですか?」って。 「お昼が終ってから、でお時間頂戴したい」って事
だったから、「私はずっとおりますので、都合よい時に、お声かけ下さい。」って言った


勇ちゃんは、寝ている。事が多くなったね。だから、折鶴を折って、ただただ傍に居た。
心の中では (何でお部屋、移動?したのかな?ナースステーションの目の前って・・・
勝手に。だけど、症状の重篤?めな方。が居る部屋。。。そんな風に思うのは、気のせい
?考えすぎなのかな。。。)とかって、答えの出ない自問自答。不安になっては勝手に
打ち消して。そんな繰り返しで。


しばらくして「お待たせしました。宜しいですか?」と、看護士さんに声をかけられた。
お話は、食道ホールで。


話初めは、私から。
「あの、お義母さんから、〇〇さんから、今後のお話を?って聞いたのですが・・・」
そう言うと。何とも、微妙な、そして、話しにくそうな。。。


私、全然、冷静じゃないくせに、シッカリして、状況をわかってらっしゃる。くらいに
思われたんだな。。。


「今後の治療と言いますか。。。その。僕はDrではないので、詳しいお話は、明日、
 担当医から又話があると思うのですが。。。今後の看病と言いますか、〇〇さん(勇
 ちゃん)は、今現在は、お1人で暮らしてらっしゃるんですよね?」っと。


「あ。はい。(そこで私は自ら切り出す。)詳しい事。はお話、出来ないにしても。
 その。アレですよね。抗がん剤の治療、化学療法が、出来ない。って事なんですよね」
って。そしたら、この看護士さん。驚いてた。けど、そこからは、単刀直入な話に切り替わって。
「わかってらしたんですか?」って。「はい。何となく....肝機能や黄疸の数値の改善とか
 芳しく、ないのかな。。。と。」そう答えた。


結局は、この病院は、重篤な症状時、や治療の為に入院する病院で、実際、の。
今後、勇ちゃんの治療?は、この対象にはならないって事。すぐにわかった。


「緩和ケア」「ホスピス」若しくは「在宅看護」、等、方法をどうしていくのか。って
話をしたかったって事だった。


「現状、在宅は、難しいです。」なので、ホスピスへの転院が、一番現実的だと思う旨
伝えたけど。 淡々と、冷静に、話して応対している様には見えただろうけど、内心は
ボロボロで、頭も、現実を理解したくない・・・ゴチャゴチャだった。


だけど。「近隣に、その様なホスピスがあるのか?」とか、「すぐに転院が出来る、空き
があるものなのか?」そんな話を聞いていた。
勿論、ホスピスの資料や、御案内も、勿論するけど、現実、空き等がなく、かなり待つ
ケースがある事。申込みをしている間は、この病院の上層階に、緩和ケア病棟が併設され
ているので、そちらに、移動していただいて。。。 っていう事は出来る。


そんな話を聞いた。


もう。ガンと闘う事は出来ないんだ。ってハッキリ宣告されてしまった。
言葉は悪いが、いかに、残りの余生を。痛み等、緩和して、そして、その“時”が来るのを
ただただ、延命?して、待つ。しか、方法がナイ。 と突きつけられた日。だった。
「打つ手がナイ」まさしく、この状況。。。 叫びたかった。大声で、泣き叫んで。本当
は。。。 なのに。私は、平静を装って。 シッカリしなきゃ。 って思った。又。


頭を。気持ちを。切り替えて。
ホスピスでは、勇ちゃんの過ごしたい。って思う?「海」の近くが良いだろうか?
いや、それでは、実距離が遠いな。やっぱり、近く。いつでも駆けつけられる、近く
のホスピスが良い。こうやって、毎日、毎日、通って会える。所。   とか。


頭、考えや思考・心、気持ち・感情が、ちぐはぐ過ぎて、訳がわからなくなってた。
でも。話が終ると、その看護士さんが、男性。だったから。って言うのもあって、私は
「あの。入浴は出来ないと思うんですが、頭、洗ってもらうのとか、お願い出来ません
 か?」って頼んでいた。


勇ちゃんが、したい。って言った訳じゃなかったけど。何か、もう1週間近く、お風呂
も洗髪も出来てなくって。サッパリ、したいんじゃないかな?って思って。


病院の洗面所に、その、理髪店とかにある様な、シャンプー台があるのを見てて、たまに
頭を洗ってもらって、ドライヤーで乾かしてもらっている様な患者さんをみた事もあって
これは、どう言う利用のシステム?なのか、わからなかったから。聞いてみた。


「あ。大丈夫ですよ~。わかりました。では、髪、洗いましょね。」って快く、聞いて
下さった。


勇ちゃん、寝てるのに、シンドイのに、ゴメンネ~って。でも、頭、洗ってもらおう!!
って起こして、車イスに移った時、表情(かお)が、嬉しそうだったの。


シャンプー終わって、戻ってきた時も。「スッキリしたね~」って言ったら、「うん。」
って、嬉しそうに、笑ってたね。 勇ちゃん。お風呂。好きだもんね。


ゴメン。ゴメンネ勇ちゃん。。。私には、もう、何も。してあげられる事がナイの.....
たったの、こんな事を、お願いしたり、する事しか、私には出来なくて。


自分の無力さ。不甲斐なさ。 そして、どうして。コレが、勇ちゃんの宿命?なのか。
何も施す。事が出来ないなんて。 ただ、あのヤツ・ガンに蝕まれていくだけを。こう
して、何も出来ずに、ただただ。見ていく事しか出来ないなんて。。。 悔しくて。。。


だけど。まだ、この時には、本当の意味での。 あの日を。 永遠のお別れになって
しまうなんて日を。 そんなに近い未来で。なんて考えていなかった。。。ホスピスに
転院したら。。。とか。まだまだ。限り。はある。としても。その先の。時間が。まだ
ある。漠然と、そんな風に思っていた。よ。。。 勇ちゃんとの。時間がさ。。。

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